代表からのメッセージ

コントラバス奏者・指導者の鷲見精一です。

 

 このコンテストは、もともと吹奏楽部のコントラバスを指導しているコントラバス奏者たちの飲み会での愚痴がきっかけとなって誕生致しました。


 「吹奏楽部からソロのコンテストに出しても、審査員にコントラバス奏者がいないから首を傾げたくなるような講評や評価しか貰えない」「吹奏楽部の生徒のレベルでは、コンクールで弾けるような曲が少ない」コントラバスのオリジナル曲でコンクールに挑んだ学生が、管楽器の審査員から「そんな曲を弾いてないでバッハを練習しなさい」と書かれた事もありました。バッハはコントラバスの曲を書いていないというのに!中には「管楽器に比べて音が小さいです」という、およそ感想としか思えない講評を貰ったという話もあります。当然、審査員に弦楽器奏者がいないので、技術的なアドバイスは皆無。

 

 そんなコントラバス指導者たちの会話を聞いていて私は「それならコントラバスだけのコンクールを立ち上げてしまおう」と考えました。
 

 資金がないのでクラウドファンディングで支援を呼びかけ、楽器の運搬が大変だろうと考えたので楽器屋さんと交渉して無償でレンタルする楽器の提供をして頂く事も出来ました。もちろんプロオーケストラのコントラバス奏者が審査員です。同じ楽器のトップの人間の演奏を聴いて刺激を受けて欲しいと思い、プロ奏者のゲスト演奏も入れました。最大の目的は審査が終わった後の親睦会です。ふだん一人で練習する事の多いコントラバスの生徒さんに、全国から来た仲間と知り合って欲しいという思いから、最後に審査員やゲストとも交流出来る親睦会を実施しています。

 スタッフも皆さんコントラバスを愛する人ばかり。プロのコントラバス奏者からアマチュア奏者、さらには過去の出場者やその保護者の方など、コントラバスを縁として集まってきた皆さんが全国大会を支えてくれています。ただ技術を競い合う事が目的ではなく、全国の仲間と出会って欲しい、そんな目的を持って開催されるのがこのコントラバスコンテストです。

 

 過去3回の開催を経て、このコンテストをきっかけに音楽大学進学を目指す人が増えました。「コンクール曲の退屈なパート譜の練習ばかりで退屈していたけれど、このコンテストが目標になって、やっと部活で練習する意欲が出てきた」と言ってくれる参加者もいました。過去の参加者たちが「スタッフとして参加したい」と連絡をくれて、今やコンテストを支える大きな力になってくれています。

 部活が退屈だったり、もう少し上のレベルを目指したいと考えている方、そして「自分はどれくらいのレベルなのかな?」と思っているひと、「私なんて下手だから・・」と考えているひと、会場にいる審査員、お客様、スタッフはみんなあなたの味方です。
そして、このコンテストは「ただハイポジションの難しい曲を弾く人だけが全国大会に進む」コンクールではありません。「自分の身の丈に合ったレベルの曲をきちんと弾いた人」が全国大会に進みます。多くの人にチャンスがあります。残念ながら全国出場とならなかった方も、審査員全員からのアドバイスを頂く事が出来ます。

まずは参加してみて下さい、お待ちしています!!

 

コントラバスコンテスト運営委員会

代表 鷲見精一


代表 鷲見精一 プロフィール

 故・塩谷晋平氏のもと私立関東第一高等学校2年次に吹奏楽部でコントラバスを始める。東京代表として2年連続全日本吹奏楽コンクール出場。

 東京音楽大学で永島義男氏に師事。卒業後ベルリンへ留学、元ベルリンフィル首席コントラバス奏者R・ツェパリッツ氏に師事。バーデン・バーデンにてカールフレッシュ・アカデミーを受講、修了。
 帰国後東京都交響楽団、東京交響楽団、
日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、群馬交響楽団、シエナ・ウインドオーケストラ、ジャパン・シンフォニエッタ、バッハアカデミー管弦楽団などの演奏会に客演。シエナ・ウインドオーケストラでは2008~2018年の10年間ほぼ全ての公演に出演し、新日本フィル、東京ニューシティ管、Kバレエカンパニーシアターオーケストラでは客演首席奏者も務めた。
 北九州国際音楽祭、草津国際音楽祭、富士山河口湖音楽祭、木曽川音楽祭、沼津音楽祭などの音楽祭への出演多数。2018年ローマ歌劇場、2019年バルカン室内管弦楽団など海外オーケストラの日本公演にも客演している。
 

 また指導者として、これまで全日本指導者クリニック、日本管打楽器連盟主催楽器講習会、東京芸術劇場主催ブラスウィーク楽器講習会などのコントラバス講師を担当。北海道から九州まで全国の吹奏楽部・管弦楽部への出張指導を行う傍ら、音大受験生のレッスンも積極的に行い、東京音楽大学・武蔵野音楽大学・沖縄県立芸術大学などに合格者を多数輩出している。

 著書として「入門者のためのコントラバス教本」「パワーアップ吹奏楽~コントラバス」「パワーアップ吹奏楽~楽器のメンテナンス」の3冊をヤマハミュージックメディアより発売。ドラマ「のだめカンタービレ」映画「マエストロ」アニメ「響け!ユーフォニアム」などの監修、指導、演奏にも携わる。

 2019年、全国の部活動でコントラバスを担当する学生のために「中学生・高校生のためのコントラバス・ソロコンテスト」を発足。

 これまでにトランペットを田宮堅二、吹奏楽を塩谷晋平、コントラバスを鷲見四郎、永島義男、W・ギュルトラー、R・ツェパリッツの各氏に師事。